エルメスを海外で買うならどの国か|レシートに残るフランス・ハワイ・香港

旅行のついでに海外のエルメスを覗くなら、どの国が正解か。この問いに、買い取る側は少し変わった角度から答えられます。買い取ったバッグには購入時のレシートが付いてくるからです。どこの国の、どこの店舗で買われたものか。何百点と見ていると、はっきりした偏りが見えてきます。

株式会社TBTの田畑と申します。ブランド卸の会社でエルメスを4〜5年担当したあと、独立しました。今はエルメス専門で買取と販売をしていて、月に50〜100点を見ています。年間の取引は5億円ほどです。

私が見てきた海外レシートは、フランスとハワイと香港だけです

買い取ってきたバッグのうち、海外購入の品のレシートは、フランス、ハワイ(ホノルル)、香港。私の経験上、ほぼこの3つに集約されます。ヨーロッパ系とアメリカ系、それに香港。それ以外の国のレシートは、ほとんど見たことがありません。

もちろん、これは「他の国では売っていない」という意味ではありません。日本に持ち帰られて、二次流通まで流れてくる品の出どころが偏っている、ということです。ただ、その偏りにはちゃんと理由があります。

カジノのある街では、出ません

たとえばシンガポールのような、カジノを抱える都市。ここは出ないはずです。理由は単純で、カジノには富豪が集まります。エルメスの顧客がそこに集中するので、限られた品はお得意様に回り、ふらっと入った一般のお客様には回ってこない。

これは日本の銀座で起きていることと同じ構造です。バーキンが出る店舗、出ない店舗で書いた「お得意様の列が長い店では一見の客に出ない」という話は、国境を越えても変わりません。世界のどこへ行っても、探すべきなのは有名な旗艦店ではなく、列の短い場所です。

ふらっと行って出会えるのは、経験上ハワイくらいです

正直に言うと、海外でもエルメスは簡単には出ません。そもそも出ないのが前提です。そのうえで、事前の関係づくりなしに、ふらっと行って出会える可能性があるのは、私の経験上ハワイくらいです。

観光地であるハワイは客の入れ替わりが激しく、お得意様の積み上げ構造が旗艦店ほど固まっていません。実際、日本に持ち込まれる海外購入品にホノルルのレシートが多いのは、それだけ一般の旅行者が買えているからです。

フランスはレシートの数こそ多いものの、こちらは旅行者全体の母数が大きいことも効いています。パリで確実に買える、という話ではありません。どの国でも、聞き方とその日の見え方で確率が動くのは日本と同じです。

支払いのルールだけ、覚えて行ってください

実務的な話をひとつ。エルメスの正規店では、カードが必須です。現金だけでは買えません。カードで個人情報を確認する仕組みなので、カード1,000円+残り現金という併用はできますが、カードを一切使わない買い方はできない。

しかも使えるカードは1枚だけ。複数枚に分けるのは無理で、法人カードも基本は通りません。本人名義の個人カードが1枚、これが原則です。バーキンの金額帯を1枚のカードで決済することになるので、旅行前に利用枠は確認しておいてください。せっかく出てきたのに枠が足りない、が一番悔しいパターンです。

よくある質問

シンガポールやドバイでは買えないのですか?

売っていないわけではありませんが、カジノや富裕層が集中する都市では、限られた品がお得意様に回りやすく、一見の旅行者に出てくる確率は低いと見ています。実際、当社が買い取った海外購入品のレシートに、こうした都市のものはほぼありません。

パリの本店に行けば、バーキンはありますか?

フランス購入のレシートは多く見ますが、パリなら確実という話ではありません。有名店ほどお得意様の列は長く、構造は銀座と同じです。どの国でも、簡単には出ないことを前提に、出会えたら幸運という温度感で行くのが現実的です。

海外の正規店でも、支払いは日本と同じですか?

カード必須の原則は同じです。本人名義の個人カード1枚で、複数枚の分割や法人カードは基本的に通りません。現金との併用はできます。高額決済になるので、カードの利用枠は出発前に確認しておくことをおすすめします。

海外で買えたら、日本で売るといくらになりますか?

バーキン・ケリーなら業者買取で定価の120〜150%が目安です。定価201万4,000円のバーキン25を470万円で買い取った実例もあります(相場ピーク時)。詳しくは海外で買ったエルメスは日本でいくらで売れるかにまとめています。レシートは必ず取っておいてください。

レシートの偏りは、世界中の店頭で起きていることの記録です

フランスとハワイと香港。この偏りは、誰かの感想ではなく、実際に買われて、日本に持ち帰られて、手放された品の記録です。カジノの街のレシートがないのも、ハワイが多いのも、全部理由がある。

海外だから買いやすい、という魔法はありません。あるのは、お得意様の列が短い場所を選ぶという、日本のエルパトと同じ原則だけです。ただ、その列の短い場所が海外には確かに存在します。次の旅行の行き先に、少しだけ効いてくる話だと思います。

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